ジェリコ「自分で用意しておいて何だが、このスピードは手強いな。
……なかなか、落とし甲斐があるぜ」
グレイ「たしかにすばしっこいな……。
ドードー鳥は運試しだと言ったが、これは要領も重要になってくる。
俺にはこっちのほうがいいんだが、さすがに数が足りねえ。
状況に応じて使い分けるしかないようだ」
アリス「ごめんね、私は見ていることしか出来ないけど。
……頑張って」
グレイ「だから謝るな、あんたは落ちなきゃそれでいい。
……余裕があれば、今みたいに応援でもしておいてくれ」
審神者「落ちなきゃいい、落ち込まなきゃいい。
余裕があったら応援してほしい……」
骨喰「武器の持ち込みが自由なのは知っていたが、あの鳥はナイフの攻撃も効くんだな」
鯰尾「ナイフが当たっても光線銃と同じように溶けるのかな?」
審神者「光線銃だから溶けているような気もするし、どうだろう」
骨喰「……いつも通り、アリスがクリスタルの輝きを見つけるパターンだ」
グレイ「ああ、普通は見えないだろうな。
だが、あんたは余所者だ……、あんたになら見えてもおかしくない」
アリス「ええ?
どうして余所者だったら見えるのよ?
どちらかと言えば、逆でしょ?
余所者だからこそ、私には皆が持つ特殊能力みたいなものは、何もないもの」
グレイ「俺達だって、ナイトメアはともかく、特殊な能力なんて持っちゃいねえさ。
この世界で特殊……、特別なのは、あんただ。
あんただからこそ、見えるものがあっても不思議じゃない」
アリス「……私にとっては、この世界やあなた達のほうが不思議だわ」
グレイ「……逆もまた然り、だろ。
あんたのここにある、特別なもの。
鳥の体内にあるクリスタルと、似てると思わないか?」
アリス「ええっ!?
に、似てると言われても……」
グレイ「似ているもの同士が引き合うのは、あり得ることだ。
とにかく確かめてみれば分かる」
審神者「特命調査に水心子連れて行けば引かれ合ってくれるかな……」
骨喰「無理だ。 諦めろ」
(審´・Д・)……
鯰尾「ははっ。 前回の教訓を活かして、今度はほどほどにするんだよ?」
鯰尾「お、やっぱナイフ使うんだ」
骨喰「銃で狙わないのは始めての展開だな」
グレイ「アリス、俺にはどの鳥なのかが分からない。
ナビゲートを頼む!」
審神者「あぁー……。
そういえばこれも『案内』要素だね……」
鯰尾「だね。 やっぱミラーでは全体を通してアリスの『案内』って重要な視点なのかも」
ジェリコ「どうしたんだ?
何か不都合でもあったのか?」
アリス「大丈夫よ。
不都合なんかは起こってないから、気にしないで」
ジェリコ「……?
気に掛かることがあったなら、俺に……」
骨喰「ディーとダムやシドニーと戦った時と比べて和やかだな」
鯰尾「相手がジェリコだからねー」
グレイ「何でもねえっつってるだろう、ドードー鳥。
ほら、試合再開だ」
審神者「……へー!
光線銃で撃つと絵の具に変わって、ナイフで切ると紙に変わってひらひら落ちていくんだ」
鯰尾「なるほど……。
どっちも絵だもんな」
骨喰「光線銃が絵に水をかける、ナイフが絵を引き裂くということなのか」
鯰尾「どっちの攻撃も効かない、フェニックスって何者だよ……。
クリスタル、結構でかいな」
審神者「両手サイズ! ずっと片手で握れるサイズを想像してたわ!」
ジェリコ「おっと……、勝負あったかと思ったが、俺にもまだ運があったようだぜ。
なかなか盛り上がる展開だな!」
アリス「……っ!?」
グレイ「ちっ、たしかに盛り上げてくれるぜ……。
自分のほうは分かるように細工してやがったな、狸!」
アリス「……ええ!?」
ジェリコ「ふ……。
ひでえな、濡れ衣だぜ」
グレイ「裏工作を悪く言えるような柄じゃないが、こっちも退くわけにはいかねえ。
しっかり掴まってろよ、アリス!」
アナウンス「両者、ほぼ同時に台座を目指した!
しかし、速かったのは……!?
駅のフェニックスが僅かに速かった!
クリスタルを納めたのは、駅の領地です!!」
アリス「…………」
グレイ「……間に合ったか。
あんたの協力がなけりゃ負けてた……、応援を無駄にしないですんだな」
審神者「え……普通に勝った、逆に新鮮」
骨喰「エースがディーとダムと戦った時は、エースのクリスタルをディーとダムが納めて引き分け。
ユリウスがシドニーと戦った時は、どちらもクリスタルを落として引き分け。
はじめてちゃんと決着がついた」
審神者「ここでグレイがジェリコに勝った意味、解読したいなぁ。
シンプルに考えるならロリーナを失ったアリスを救うというエースの気持ちが、アリスの姉の死を悲しむ気持ちに勝ったって感じだけど、もっと深くや別角度からも考えられそう」
アリス「(思わぬところで役に立てて、グレイの勝利に貢献できた。
ナイトメアは、自分が提案した試合でいい結果が出たのが、殊更嬉しいのだろう。
加えて、全試合通して総合優勝の座はボリスが獲得した。
なんとボリスは、すべての試合で勝利を収めたのだ)」
鯰尾「すげえ、さらりと一番すごいところ持っていってる」
骨喰「ということは、コーカス・ゲームは駅の完全勝利……」
審神者「だけどさ、ボリスは居候の猫。
そしてグレイも正式な駅の住人じゃない。
なんか、こう……駅が勝っても「本当に駅の勝利なのかな?」って宙ぶらりんな感じがするね」
シドニー「しかし、あの特別ルールは失敗だったんじゃないですか。
余所者にクリスタルが見えていたから、勝ったようなものでしょう。
それがなければ、勝敗は変わっていたでしょう。
私は、あの一戦は無効にすべきだと……!」
ジェリコ「まあまあ、そう言うなよ黒ウサギ。
あれは不測の事態だったんだ、勝つって保証もなかったんだし、後付の理由じゃ仕方がねえだろう?」
鯰尾「仮にナイトメアのゲームが特殊だったとして、そうなるとコーカス・ゲームの最終戦ってほぼ全試合エースの時間VSアリスの時間だね。
ボリス対エリオットだけちょっと微妙だけど、エースとディーとダム、ユリウスとシドニー、グレイとジェリコはみんなエースの時間とアリスの時間で対になってる」
骨喰「ということは、ボリスもエースの時間の可能性がある……?」
鯰尾「んー、それはどうかな?
あいつは青じゃないし、刃物も使わない……。
今のところグレイほどの共通点は見付けられない」
審神者「ボリスねぇ……。
言うてエースは赤でもあるし、青で恋心がエースとは限らない…。
ディーとダムとも友達で、恋心の帽子屋領と接点がないわけでもない……。
ダイヤではブラッドの時間から逸れた先がボリスだった。
ブラッドの時間から逃してくれた時間がボリスだった……んー……微妙。
アリスの思考のように感じるし……でも、アリスを救おうとアリスの為にアリス以上に色々考えているのは絶対にエースだし……。
うーん…………」
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